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永沢さんは僕の顔をしばらく見つめたあと顔を赤らめながら、
「あっ!ごめんね!元気そうでなによりだわ!私ったらやだっ!何をそんな…!尭君の顔なんてずっと見つめてっ。」
僕から視線をはずした。
よくわからん女だ…。
またしばらく沈黙。
僕はついに耐えきれなくなって、
「あっ!ごめん!僕用事思い出したから先に行くね!」
「あっ!待って尭君!まだ聞きたいことが…!!」
僕は急ぎ足で永沢さんから離れていった。
絶対諦めないんだから…とボソッと永沢さんの声が聞こえたような気がした。
全身から鳥肌が立った。
まったく気持ち悪い女だ。
まだ、あの時のことを根に持っているのか?
そういえば、中二の頃にずっと僕をずっと見ているような視線を感じたことがある。
永沢さんをフッた後もそうだ。
何か僕を見つめているような気配が。
まさか、あの時の視線の正体は永沢さんだったりして。
うぅっ、考えるだけで寒気がしてきた。
きっと気のせいだ!気のせいに違いない!!
とにかく、永沢さんと同じクラスになると色々とややこしくなりそうだ。
あの女はよくわからんし、危険そうだからあまり近寄らないほうがいいかもな…。
なんか、ストーカーじみてて恐いし…。
それに、せっかくの楽しい高校生活台無しにしたくないし。
僕が考えながら歩いていると桜花高校の校舎が見えてきた。
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