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結愛花はその知らない男の背中をみていたが、すぐに我に返り、高宮の方に振り向いた。
「ご、ごめんなさいっあの」
「危ないでしょう!!何を考えているのですか!」
「えっ…」
いきなり高宮に大声で怒られた結愛花は驚いた。なにせこれまでこんなに大声で怒られたことはなかったから。
「ご、ごめんなさいっ…私…その…。ごめんなさい…。」
続ける言葉が見つからなく結愛花は謝る言葉しかでなかった。それと同時に高宮にどんな言葉を次に言われるかとびくびくしていた。
が、そんな結愛花に高宮は優しく、また困った表情になり話し出した。
「結愛花様…ご無事で…良かった…。本当に…もう…これでは私…安心して辞めることができないじゃないですか…。」
「高宮…。」
「結愛花様…私は今日で貴方のそばにいられるのが最後の日なのです。お分かりでしょう?」
その言葉を聞いて結愛花は申し訳なさで胸が一杯になり高宮に抱きついた。
「ごめん…ごめんなさい高宮…。もう気をつけるから。」
抱きつかれた高宮は少し驚くものの、優しく結愛花の頭をなでた。
そして結愛花が高宮の顔を見たときにはまたいつもの笑顔に戻っていた。
「さあ帰りましょう。夕飯の準備ができています。」
「うん…!」
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