第一章 貴重な笑顔

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あぁ…何言ってんだろ私……。 「フッ…なんだそれ」 ―――――ッ!! 苦笑いした小野君。 こんな真近で彼の笑顔を見たのは初めて。 思わず胸が高鳴った。 これはスゴい。 女の子が騒ぐのもわかる。 ぽ~っと彼の顔を見つめると、 「何?」 今度は少し警戒しながら、怪しげな表情になっている。 「ううん、…小野君の笑顔すごくキレイだね。びっくりしちゃった」 思ったことを正直に言ったつもりが、一瞬固まった小野君に、また変なこと言ってしまった!とあせる。 「あ!いきなりこんなこと言っちゃって…気を悪くしたらごめんね!!」 はぁ~。 笑顔がキレイなんて男の子に言うせりふじゃないよ。 「いや、ずいぶんストレートだな」 今度はおかしそうに笑う小野君。 本日二度目の笑顔に、しばらくくぎづけになってしまった。
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