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内裏に入ると女官達が並び頭を下げて待っていた。
すると、真ん中にいた女官が口を開いた。
「お待ち申し上げておりました。わたくしは主上付き女房、右近の局と申します。藤壺の女御様でございますね?主上がお待ちでございます。 どうぞこちらへ…」
すると右近の局は立ち上がり、彰子達を清涼殿に案内した。
ー清涼殿ー
「ではこちらでお待ち下さりませ、女御様。」
右近の局はそう言うと下がってしまった。
通されたこの部屋には気を効かせて、彰子と帝のみしか入らなかった。
すると衣ずりが聞こえた。彰子は頭を下げ、帝から声がかかるのを待った。
「面を上げなさい。
あなたが道長の娘の彰子ですね?」
「はい。
藤原朝臣道長の娘彰子と申します。」
「そうですか。
左大臣もよく幼き娘を離したものだ」
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