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扉の向こう側に吸い込まれるように入ったが中は真っ暗闇で何も見えない。
今から何もかも忘れていくのだと思うと切なくなる。
家族、友人、学校生活、過去の思い出等々が次々に浮かんでは消え、浮かんでは消える。
「これが所謂走馬灯ってやつなのかな」
なんとなく普通に生きてきたけど、もっと頑張れば良かったって今更ながら噛みしめている。
「あっちでは、ほんの少しでもいいから、普通ではないようになる。
って意気込んだはいいけど忘れるのか。ん、何か急に狭くなったか?
あれ、だんだん……眠く……なって……き……た」
そして“俺”は“死んだ”。
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