過去と今

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「しかも…翔太、 女と同棲してるんです」 「はぁ!?」 「彼女のとこに 住んでるらしいんです…」 「なんやそれ? 彼女お前やろ?」 「宿彼女ってやつみたいです…」 「それでいーんかお前!?」 思わず大声を出すと 綾菜がビクッと此方を向いた その目には涙を一杯に溜めていた 「このままじゃ、 幸せになれんぞ‥‥」 「でも…、殴られる…」 「お前はどうしたい?」 「え…」 「今、お前はどーしたい?」 綾菜をこちらに向かせ、 ジッと見つめる 綾菜の顔が歪み、涙が零れた 「別れたい…」 抱きしめた肩は揺れていた 月明かりに照らされた綾菜 チラリとみえた肩には大きな痣 痛々しい傷痕に 抱き締める力が少し強まった
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