自分の意志

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「ふーん‥‥」 司さんはニヤニヤしながら うちを見てきた 「なんですか?」 「いーえ(笑) てか、お嬢と巧は なんしにきたの?」 うちは司さんに 一連の流れをざっくりと説明した 「なるほどね~、 それは純が悪いわ(笑)」 「うん、もう別れる」 「そーしなさい(笑) 純は俺がどーにかしてあげる 大丈夫だよ(笑)」 「え?」 どーにかって? 聞き返そうとした時、 ヒロさんと翔太が帰ってきた ヒロさんは司さんに何か話すと、 すぐにうちに向き直った 「綾菜、帰るよ!」 「え?」 「司、後頼むね!」 「はーい」 そのままヒロさんは車に向かってしまった 翔太は司さんの隣で俯いている 「‥‥」 此方を見ない翔太 力無く落ちた肩が弱々しかった 「‥ごめんね翔太 これで会うの最後だと思う 仕事がんばってね‥ ばいばい」 早口で別れを告げると ヒロさんを追いかけた 「お嬢またねー!」 司さんの声に 振り返りそうになったが 翔太の姿を見るのが辛かったので 振り返らず手だけを挙げた
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