第二章 始動

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朝からドンドンと鈍い音が部屋の中に響く、いつもはヘラヘラしている顔には一切なく真剣な眼差しでサンドバッグに打撃を打ち込む。 体中にはおびただしい汗が吹き出していた。 それでも手を止めることなく、ドンドンとリズミカルに拳を打ち付け 「これで、ラストッ」 体をひねり、腰に力を入れ右足にその力を移し、サンドバッグを蹴り上げた。 フーッと息を吹き出し、椅子に腰掛けタオルで汗を拭う。 「それぐらい、デスクワークに勤しんでくれないか ゼル中尉」 扉の所に、桜庭さんが立って此方を見ていた。手には書類が握られている。
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