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家に帰ると母が何時もどうりに笑ってお帰りと言ってくれた。
だが、俺は何処か違和感を感じた。何処が? と聞かれたら、わからないと答えてしまうが、何処か変であった。
しかも、この日は何時も帰りが遅い親父が家にいた。 なにか変だ…
俺は心臓を握られたような感覚におちいった。
「話がある」
と親父に言われて、胃の中の物を全て吐き出してしまうような緊張感に襲われた。
「話って?」と聞くと……
「お母さん…ガンだ……」
頭を鈍器で殴られたかと思う衝撃に襲われ、親父はさらに続けた。
「5年生きられる可能は20%だと医者に言われた。」
俺は逃げるように部屋へと走り、その場で声を殺して泣き崩れた……
そして、俺の母への罪悪感も、この時に膨らみ始めたのだ。
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