生け贄係

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そして放課後。 悟司と昇降口まで来た拓哉は三咲から教科書を返してもらってないのを思い出した。 「悪い。教室に忘れ物したから先に帰ってくれ」 「別にここで待ってるぞ?」 「いや、時間かかりそうだから先に帰ってくれ」 そう言うと拓哉は教室まで走って行った。 そもそも三咲が教室にいるかも分からないのですぐ戻ってこれるか分からない。 それに、悟司は三咲を避けているようなのであえて三咲の名前は出さなかった。 「さて、いるかな」 そう言いながら教室の扉を開けると三咲は一人で教室の掃除をしていた。 「あれ?なんで一人で掃除してんの?」 三咲は掃除の手を止めないで答えた 「私が生け贄係だから・・・」 拓哉はへぇっと返事をしながら掃除用ロッカーからホウキを取り出した。
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