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隣を見ると雪乃がにやにやしていた。
「あれ~鳴海君はこんな小さな島で迷子になったんですか~?」
悔しいが何も言い返せない。
「まあ、ほとんどこの島に来た事無いって言ってたし、しょうがないんじゃない?」
と三咲が拓哉をフォローしたが拓哉は内心
(いや、フォローするぐらいなら黙っててくれよ・・・)
拓哉が三咲の方をちらっと見ると三咲は手を合わせてごめんっと小さな声で言った。
「そろそろ夕暮だし、3人で行ってみる?」
雪乃がそう言うと三咲はうんと頷いた。
「鳴海君も来るよね?」
雪乃にそう聞かれると拓哉も頷いた。
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しばらく夕日を見ながらしゃべっていたが三咲が腕時計を見てはっとしながら言った。
「ごめん。私そろそろ行くね」
そう言うと三咲は小走りで去って行った。
「何だ、あれ?」
「夕飯の食材を買いに行ったんでしょ。三咲は一人暮らしだから」
「えっ?」
「鳴海君に三咲の事でちょっと話したい事があるんだけど」
そう言った雪乃の表情はさっきまでとは違い険しくもどこか悲しそうだった。
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