二章

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 「はい分かりました先生さようなら」  句読点すら入らない。  そう言って僕は職員室を出た。そして職員室には都議先生と和歌ノ原が残った。  そういえば今日、渡が和歌ノ原について何か言ってたな。何だっけ?えっと、内密会がどうとかだったな。  ちょっと話を聞いてみようと思い、扉の前で耳を澄ます。幸い都議先生の机は扉から一番近い所にあった。  「で、お前は何で遅刻したんだ?ま、お前は誹夜籠と違って成績がいいから、そこまで問題はないが、でも理由は聞いておく」  「・・・すいません」  「いや、理由を聞いているんだが。まさか誹夜籠のバカと一緒で寝坊か?」  「・・・すいません」  そこで都議先生はハァ、とため息をついた。  「あのな、すいませんじゃ分からないんだよ。ちゃんと理由を話してくれないと、これからの事とか、話せないだろ?誹夜籠みたいなどうしようもない奴ならともかく、お前は優秀なんだから」
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