二章

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002  その後、僕と和歌ノ原は二人で教室を掃除した。  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」  気まずい。なんだこの空気。掃除のハードルが高い。峠どころか絶壁くらいあるんじゃないか?高山病になりそうだ。酸素の濃度低くくないか?あ、頭痛くなってきたかも。なんであいつ自分一人しかいないみたいに居られるんだ?なんとか空気変えないと、息苦しい。窓を開ければいいのかな?  そう思っていた最中、「誹夜籠くん」と、和歌ノ原の方から話しかけて来た。  ん?なに?と素っ気ない返事に留める。願ってもない展開だが、いきなりオープンに行き過ぎてもダメなのだ。  「誹夜籠くん、今日遅刻したんだって?なんでなの?」  「普通に寝坊だよ。起きたら十時だった」  正確には起こされたら、だが。その辺は言わなくていいだろう。  「そう、私も遅刻しちゃったから、何だか仲間がいた気分だったわ」
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