鍵(プロローグ)

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 ちなみに僕が集めているのは、掛ける鍵。もとい開ける鍵だ。  流石に、鍵の数が5千個を超えた時には、そろそろヤバい域に達して来たと思ったが、それでも鍵を集めた。正直、部屋を圧迫され邪魔である。ここで導き出されるのは、塵も積もれば山となるという事。  さぁて、若干考えるのが面倒になってきた。なぜ僕はこんな事を考えているのだろう?それこそ不毛だ。考えるくらいなら集めなきゃいいのにな。いや本当。今からでも止めるんだ、僕。  そもそも何で鍵なんだろうか。そんなに集めても意味ないだろ。  ん?ああ、そうかなるほど。意味なんてないのか・・・な?  うん。そうだ、きっと意味などないのだろう。QED証明終了。何も証明などしていないが、終了しておこう。  あるいは投了しておこう。  え?何故こんな話をするのかだって?・・・まぁ、僕という人間を説明するためだと思っておいてくれ。  さて、結論も出た事にした事だし―――  「起きるか」  そう言って僕は、夢から覚めた。
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