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「織さん!!」
無言のまま織に歩み寄り右手へとナイフを振り下ろす杉澤から顔を逸らした直後テーブルにナイフが突き刺さった音が聞こえ、視線を戻すとナイフは人差し指と中指の間に刺さり杉澤はニヤリと笑って織の頭を撫でる
「目は逸らしても手をピクリとも動かさなかった根性認めてやる」
「……どうも」
「悪かったな、俺はキレると口調が荒れるんだわ。勘弁な」
「ご出身は広島か愛媛ですか?」
「えっ?あぁ、愛媛の東予にな。何故分かった?」
「少し……この度は本当に申し訳ありませんでした」
「もうえぇて。悪かったな、店長。騒いで客不安にさせて」
「いえ」
「実はな、織。俺はお前を誘いに来たんよ」
「はい?」
「すまん、ワシもグルだってん」
「森松さ~ん……本当に殺されるかと思ったのに…」
「閉店後、ちょい時間えぇか?」
「えぇ、もちろん」
「じゃあ、この店で待ってるわ。店長ら連れて来てえぇからな」
「……分かりました」
「皆さんホントすんませんでした。イベントや思って下さい」
手帳に簡易地図と店の名前を書きページを破って織に渡した杉澤と森松はテーブルの修理代や料金に札束を幾つか隆司に渡して去り、織は彰に視線を向けて頷くと客に頭を下げて回り全員を帰すと店を閉め問題のホストを残してホストも黒服も帰らせる
彰・隆司・隼人とホストと織だけになると今頃になって脚が震え、近くのソファに座り込んだ
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