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「ほら、入って入って」
「ぁ……どうも…」
男性に背中を押されて中に入って進められたソファに座ると正面のソファに座る3人がジィッと眺め、若干冷や汗をかき膝に乗せた手を握り締める
「いいな、この素材」
「だろ、だろ!!彰さん、可愛い系欲しいって以前言ってたじゃないですか。買い物途中で見掛けて、コレだ!!と思って」
「で、買い物は?」
「…………あっ!!ちょっとだけ、ちょっとだけ待ってて。直ぐ戻るから!!彰さん後頼みます!!」
「ったく」
「お前、名前は?」
「芙蓉(フヨウ)織(シキ)です」
「俺は彰(アキラ)、代表取締役でNO.1」
「俺は隆司(タカシ)、一応店長。さっきのが主任の隼人(ハヤト)でNO.2」
「はぁ……」
青年―織は改めて事務所を眺める。入って来た扉の左にロッカーが並び壁には支給品らしきスーツが掛けてあり、左側の壁にある扉のプレートは《更衣室》。扉の横の大きなコルクボードには指名数の棒グラフや連絡事項がびっしり。正面は棚がありファイルや書類が並び、隣りにはノートパソコンとデスクが2つずつ。右側は店内に通じる扉がある
ふと何かテーブルに置かれた音が聞こえ視線を戻すと珈琲と砂糖壺、ミルクが置かれニコッと微笑みを浮かべた彰は隆司の隣りに座る
「織君何才?あ、珈琲飲める?」
「20です。飲めます」
「若いね。ホストってどんな仕事か知ってる?」
「……なんとなく」
「やってみようか」
「…………はぁ!?」
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