群青色

2/5
前へ
/26ページ
次へ
気が付いたら誰かがいた カサカサの腕に何か塗り込んでいる 少しづつ塗り広げられていく ほんのり冷たい何か まだ冷たいと感じる感覚があることに驚いた 意識すると色々な感覚があることに気付く 渇いた唇が水を欲しがるけど私にはどうすることも出来ない これなら感覚がない方が良かった ―ちゅっん 冷たい何かが唇にふれた 水だ 途端に渇きは餓えへと変わる もっと もっと もっと コットンにでも含ませた水が少しづつ唇を湿らせていく ごくりと喉を鳴らすとむせない程度に水が喉を潤した
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加