山吹色

3/11
前へ
/26ページ
次へ
「こちら側はさらに広うございます、私からあまり離れませんように」 「あっ…はい」 我に帰り後を着いて行くが… 「ちょっとした町だよな…」 「左様でございます、ちょうど此花町と同じ広さかと」 此花町 俺の住んでいた町だ 町としては小さく、ちょっとした地区程度 でもそれなりに歴史があり、他の地区町村と統合することなく今まで来ている 少し官能的でもの悲しい歴史ではあるが俺は好きだ 「…!?」 「こちらでございます」 目の前には 街が広がっていた 和の建築なのに異国のような極彩色の世界 甘ったるい匂いに脳が痺れそうになる そこには江戸吉原のような華やかな世界が広がっていた
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加