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ガタリ
いつの間にか意識が飛んでいた
眠ったと言うのだろうか?
夢は見ない
夢すら見えない
ギシギシと音がする
どうやら運ばれているらしい
きっとバラして中身だけ売るのだろう
中身は売り物になるようだ
私より価値のある私の内臓
「全く…何を考えてんのか…」
「上が飼うっていうんだ仕方ないだろ?」
飼う…?
「よし、ここだ」
降ろされたのは柔らかな布団
私は中身より
飼う価値があるのだろうか
その夜夢を見た
薄墨にほんの一垂らしの藍色が落ちて
そして消えた
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