桜の根本で
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「……ママがまたさくらの木見てる」 息子の優希が呟いた。 「ママは桜が大好きだからね」 と、夫である亮が優希の肩にポンと手をおいた。 『大好き』なんて、そんなものじゃ無いんだよ この桜は『私』そのもののようなものなの 私が始めて愛した、一緒になりたいと深く願った、一緒になれると信じて疑わなかった人が、最も愛した花だから
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