一等星

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「嬉しく……ないのか。」  俺は悲しさと苛立ちを抑えた低い声で呟いた。 「そ、そんな事ないよ!嬉しいよ?でも……」  サキの返答を聞いた俺はこの気持ちをどう表せばいいのか判らなくなり、つい怒鳴ってしまった。 「『でも』って何だよ!ってかその顔見たら誰だってお前が喜んでない事ぐらい解るんだよ!あ……。」  我に返った時にはもう遅かった。サキは泣いていた。声をあげずに。彼女の堪えきれなくなった嗚咽が耳の奥に響く。今でも。  俺はその後の事をよく覚えていない。気付くと家にいて、一人で泣いていた。  夜「ごめん」とメールを送ったが、返信は来なかった。送る事は出来たのに。悔しかった。情けなかった。自分が。そして、今までずっと音信不通だ。  その夜は、いつもより星が綺麗だった。
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