二等星

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 次の日。俺は何故か春に朝五時に起こされた。 「兄ちゃーん!起っきろぉーっ!」 「うるさいな、全く。俺はいつも休日は十一時に起きてんのっ。」 「いいな。高校三年生は。俺は工場の寮で毎朝五時に起きなきゃなんないの。」 「……なんかごめん。」  工場勤めって大変なんだな、と思いながら、弟が作ってくれたインスタントカップ麺を啜った。 「ねえ、彼女さんって美人?」  すっかり外出の準備が出来ている春がキラキラとした目で訊いてくる。  本来ならこいつは高校一年なんだな。そう思うと少し哀しいし、申し訳ない。  俺達には父親がいない。春が生まれて二年後に死んだ。  俺は親父の事をあまり覚えていない。覚えているのは、親父の痩せ細った腕と、俺を見つめる瞳だけだ。一緒に遊んだ、とか、喋った、とかの思い出は全く無い。
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