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「出来るかっ!とゆうかこの下着、女物じゃないですか!」
「スカート丈が短いので何の拍子に見えてしまう場合が考えられますので勝手ながら変えさせていただきました」
「あ、変えたのはお母さんだから大丈夫。しかし薫君もいつの間に随分と立派に」
「うわああぁぁっ!!」
これ以上放っておくと何を言われるかわからないのでとりあえず大声で誤魔化す。
残念ながら今の薫にはこれくらいしか抵抗のしようがない。
「それじゃ、薫君が無事に女学院に行けると確認も出来た事ですし、あとは1ヶ月訓練あるのみですね」
「訓練!?」
「流石にいきなりぶっつけとはいかないでしょう。それに薫君は一応男の子な訳で」
「一応ってなんですか!」
「まあまあ、とりあえずそのままでは動作的に男だとバレる可能性があります。それに学院内での護衛に関しても色々と教えないといけないですし、その辺も含めて1ヶ月間は訓練してもらわないと」
「頑張ってね薫ちゃん!お母さんも応援するから!!」
もはやこの場に薫の味方は1人もいなかった。
「はぁ~」
桜並木を歩きながら今までの事を思い返し、薫は再び溜め息をついた。
「薫様」
「あ、ごめん。ちょっと気分が落ちてた」
「心中はお察ししますが、私達がここに来た目的を忘れないようにしてください。一瞬の隙が宮代 雪奈の死に繋がる場合もありますので」
「わかってる。お…私も遊びで此処に来た訳じゃないんだから」
そう言って会話を続けているうちにいよいよ聖輪舞女学院の門が近づいてくる。
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