始まり

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「俺はこの時代が一番好きなんだ。」 争いが起こる時代が好きなんて翼の考えが理解できなかったけれど、この五月晴れのように澄み切った表情だったからきっと素敵な時代だったんだろうと思う。 「会ってみたかったな、彼らに。」 そう言って微笑む彼の表情はこの春の暖かな日差しより優しかった。 「彼らって、徳川将軍に?」 「違うよ。俺が会いたいのは新選組。」 “新選組” ―――ドキン なぜか懐かしく感じるその響き。 教科書には出てこないけれど、どこかしらで耳にするその名前。 「新選組は知ってる?」 こくんと頷く。
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