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それからくまさんはくろのカードキーを取りに行き、渡されたくろは珍しそうにカードキーを見ていた。
「そのカードキーは財布代わりにもなってるから失くすんじゃねーぞ。万が一失くした場合は直ぐに俺に言え。使用停止にして新しいのを発注するからな」
「はぁ…」
「お前さんは特待生だから最初からある程度金が入ってる筈だ。残高を確認したいなら俺のとこに来いよ」
「はぁ…」
「ちなみに特待生、首席、次席は青色、一般生徒はクリーム色、各委員会の委員長は銀色、生徒会・風紀は黒色、理事長は金色だ」
「はぁ…」
カードキー制度がよっぽど珍しいのか、くまさんの説明に相槌を打ちながらも目線はカードキーをとらえてる。
ボクは言わずもがな黒色ね!
風紀と生徒会のカードキーはいざって時の為に理事長室以外の部屋は全部開くようになってるんだ。
「まっ、これから頑張れよ原田。じゃぁまたいつでも遊びに来い、特にはる!」
「うん!またねくまさんっ」
「…どーも(んではる先輩だけ…)」
「大男美形×小動物……!」
笑って手を振るくまさんにお別れを言って、くろの部屋に向かう為にエレベーターへ乗る。
くろは2001号室らしい。
部屋まで着くとくろが早速同室者を確認し始めた。
「白鹿、平次…?」
「あー、そういえば2001号室は白鹿だったな。白鹿平次(はくしかへいじ)か……お前も厄介な奴と同室になっちゃったな」
へいちゃんかぁ…。
良いなぁ。へいちゃんは会う度抱っこしてくれたりお菓子をくれたりするから好き!
何でか哀れみの目をくろに向けるちーちゃん。くろは訳が分からないといった顔でちーちゃんに説明を求める。
「白鹿は変わった奴でな…とにかく無類の綺麗好きなんだよ」
「、綺麗好き?」
「あぁ。綺麗なものをこよなく愛しているが故に美化委員長を務めている。汚いものは大嫌いな上、容赦がない」
「うげぇ…めんどくさそう」
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