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転校生かぁ。
どんな子なんだろ…良い人だったら良いなぁ!
「…そうですか、仕方ありませんね。それで何か不都合が?」
「いや…その役が、ゆずになるんだよなー…」
「は?俺がすれば良いでしょう」
「お前には丁度違う仕事があんだよ……あークソッ。なんで今に限って他がいねぇんだよ」
…あれ。あれれ?
なんだかボクの話しになってるよね?
2人ともボクを見てるし…
話からして、その転校生のお迎えと寮の案内をボクがするってことだよね?
…
「はいっ!ボクする!」
どんな人か気になるし、仕事ばっかりじゃ肩が凝っちゃうもんね。今が脱け出すチャンスかも! 今の仕事よりは難しくないと思うし。
元気に挙手するボクを見て2人は顔を歪める。
え、何で!?
「…遥、お前には無理だ」
「ゆず…心配だなぁ」
えぇぇ!!しょーちゃん無理って最初から決めつけてる!?ひ、酷いよ!ボクだってやればできる!
「大丈夫だよ!迎えに行って寮の部屋に送り届けるだけだもん。ボクにでもできるよ。それに、ボク以外に手ぇ空いてる人がいないのも事実だし、ね?」
2人をとにかく正論で無理矢理納得させた結果、
何かあったら必ず連絡すること。と義務づけられた。
まったくしょーちゃんとつーちゃん先生は心配性なんだから。
ボクはしょーちゃんに買って貰った黒猫をモチーフにした小さめのリュックを背中に背負い出かける準備をする。
中には携帯電話とハンカチティッシュ、携帯用の救急セット、後は少量のお菓子が入ってる。
しょーちゃんが「お前は携帯電話を必ず落とすからこれに入れて持ち歩け」と言って買ってくれたんだ。
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