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「じゃぁ行ってきまーす!」
「気を付けろよ」
「無事に帰ってくるんだぞー」
2人の言葉を背に聞き、ボクは意気揚々と風紀室を出て校門に向かう。
今の時間帯はもう生徒たちは寮に戻ってるから廊下には誰もいなかった。
委員会の人達はもしかしたらどっかにいるかもしれないけど…
ボクの頭には転校生の事しかなかった。
*****************
「あれっ、ゆず?」
もうちょっとで校門につくって時に名前を呼ばれて振り返る。
そこには風紀仲間で同じクラスの伊東千尋(いとうちひろ)がいた。
「ちーちゃん。どーしてここにいるの?」
「ここ俺の担当場所だし!まぁあわよくば濡れ場を見ようと思ったけど、何もなかったわ」
「ぬれば……?」
ちーちゃんはたまによく分からない事を言ったり、興奮してる時は叫んだりする。何かの病気なのかな…?ちーちゃんは自分の事をふだんし?って言ってたけど…
ぬればって何を塗るんだろう?
「ゆずは?委員長と書類整理のはずだろ?」
「あのねっ、今から転校生を迎えに行くの!」
「……は?」
あれ。
ボクがワクワク気分で言えばちーちゃんは固まってしまった。
「む、迎え…?迎えは副会長だと決まってるだろ!?」
「ぇ、え?副会長は忙しいから来ないよ…?」
「い、忙しい…だと!?副会長イベに欠かしてはならない副会長がいなくてどーなる!転校生に作り笑いを見破られて気に入って、転校生にキスはどーなる!?俺のハァハァ場面の1つなのに……!!」
ん?んんん?
副会長イベってなんだろ。
今のちーちゃんの言葉をまったく理解できなかった…
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