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命蓮寺の本堂、毘沙門天の像がある本殿で少年、相澤柊司(あいさわ しゅうじ)は縛られた状態で正座させられていた。
理由は至って簡単。
住職、聖白蓮の部屋への不法(幻想郷に法律は無いが)侵入および彼女への夜這い疑惑があるからである。
「ほう。では、キミは何も知らないし、何もしてないと?」
ナズーリンの問いに柊司は頷く。
そもそも、彼は自分がなぜここにいるのかさえ、解っていなかった。
「まあまあ、ナズーリン」
刺すような視線を送るナズーリンを星が宥(なだ)める。
「彼は知らないと言ってるじゃないですか。それに彼、悪いことするような顔じゃないですよ?」
「ご主人、それ本気で言ってるのかい……?」
呆れ気味に上司を見つめる部下。
一方の上司は頭にクエスチョンマークを幾つも出しながら首を傾げた。
そんな二人を押しのけ、村紗が柊司に詰め寄る。
「なあなあ、どうやって聖の部屋に侵入したんだ?」
「だから、俺は侵入なんかしてない!」
「しかし、実際お前は姐さんの部屋にいた。それをどう説明する?」
一輪も話に割り込み、柊司を睨みつける。
あまりの居心地の悪さに、柊司は身じろぎをした。
「おっ、コイツが聖の部屋に夜這いに入ったってヤツか?」
バカにしたような声に一同が振り返ると、そこにはぬえとマミゾウが立っていた。
ふわふわと浮きながら柊司をまじまじと見つめるぬえ。
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