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しかし、
「わかったわ、その案に乗ります」
「聖?」
「姐さん?」
白蓮の発言に命蓮寺のメンバーは彼女を見つめた。
「一週間だけ、彼をこの寺の家族として迎えます」
その顔は険しいわけでも優しいわけでもなく、ただ淡々としている。
「あなたには、寺の雑用をしてもらいます。当然、私たち女性陣に色目を使ってはいけません」
仮にもここは寺なんですから、と白蓮が続ける。
「一週間、あなたが誠意を見せれば、あなたがここに留まることを許します。もし少しでも悪意が見えれば、その瞬間からここから追い出します」
白蓮は一息つき、柊司を見つめた。
柊司も彼女を見つめ返す。
「いいですね?」
「腑に落ちないけど……、わかりました」
コクリと頷くのを確認し、白蓮は村紗に縄を解くよう指示した。
柊司は自由になった腕を振り、大きく伸びをする。
「期間は今から。終了は7日目の晩まで」
「了解です」
契約が成立し、若干落ち着いた柊司は、静かに言った。
すると途端に白蓮は、何故か笑顔になる。
「じゃ、朝食にしましょ?」
そう言って寺のメンバーに振り返る彼女を見ながら、柊司はこれからの受難に腹を括り始めていた
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