第一章

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辺りを見回し、目覚まし時計に目を向けた まだ6時前か と一息ついた とりあえずいつも通り朝ごはんとお弁当作りを始めないといけないな その前に着替えて、顔洗って…… ガチャリ と俺の部屋の扉が開いた 「にーちゃ、どしたの?」 人形を引きずりながら眠気眼を擦りながら静流がやって来た もう中学生になったというのに静流はまだ人形を抱いて寝ていたんだな 最近一緒に寝てなかったからわからしらなかった 「ごめんな、少し……いや、かなりすごい夢みたからつい」 「あの頃の夢……!?」 静流はバッと顔を上げ、さっきまでの眠そうな表情ではなく、闘う戦士のような表情に変わっていた ただそこには戦士の表情以外にどこか哀しみを孕んだ瞳がそこにはあった 「驚かしてごめん。昔のことじゃ……ないさ」 静流の頭を優しく、ゆっくりと、何時間もかけるくらいゆっくりと、撫でた 「にーちゃ、ごめんね。私……」 「よし!今日の朝飯作るの手伝え、静流」 「えっ……?」 「今から一人で作ってたら間に合いそうにないからよ、一緒に手伝ってくれよ」 お前は、この言葉の意図にきづいてしまうだろうな 俺には気のきいた事なんて出来やしないからさ 「……うん!」 と満面の笑みをうかべて笑ってくれた .
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