夏のはじまり(記憶と夢)

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「おい、陽」 校舎の中をブラブラ徘徊していたら亮太に発見された おう、おはよ 「おはよ、はぇな」 ちょっとねー 「あっそ、教室いかないのか?美咲は来てたぞ」 いくー、亮太は? 「俺は資料室に行って、美術史の年表取ってこいって」 行ってこい 「はいよ」 階段をかけ上る、長身で短い髪の毛の亮太。 腕には緑色のミサンガ 美咲と私のお手製。 見るからにスポーツマンな亮太は、2年の2学期、中盤…ちょうど体育祭が終わるまでは部活をしていた。 というか、1年間は強制で、2年からは自由なのだが 人数が少ない学校なので、男は野球かバスケか合唱。 女は、バスケか合唱 各学年、40人前号しかいない学校なので、部活はこれだけしかない 3年間続ける人が半分、途中やめるのが半分 私や美咲、結愛は幽霊部員として今でも合唱部に属している。 亮太は、バスケ部にケントと2人で入部し、真面目に取り組んでいた。 私たちは、2人を待つために、合唱部の練習に参加していたりしていた。 受験生という立場をうまく利用し幽霊部員になったが、これと言って、役職のない私たちは、別に理由なんか無くても何も言われないだろう。
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