夏のはじまり(記憶と夢)

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「ひなちゃん」 学校の前の信号で誰かに呼ばれ振り向く。 あぁ、結愛 おはよ 「おはよ」 今日は自転車じゃないんだ 結愛は、クラスメート と言っても、学年にクラスは1つ いや、多いときは2つだ 町で唯一のお医者さんの娘だ。 「うん、自転車調子が悪くて」 そっか、大変だねぇ 「そういえば、ひなちゃんは、進路決まった?」 え?まだだよ?結愛は? 「私は姫高かな」 姫高かぁ…結愛、頭良いもんね 姫高は、姫川高等学校 この町から電車で20分の街にある、進学校で 私立の超お嬢様学校だ。 私には向かないだろうし、行こうとも思わないし、まず受からないだろうし 「今日の六時目に進路希望をとるらしいよ」 え、まじ… 結愛は栗色の髪 うらやましいくらいストレート 「うん、きのう竹内先生言ってたよ」 聴いてなかった… あぁ憂鬱だ 私は、今が楽しければなんでも良い!!! みたいな考え方ではないが 将来の事を考えた事はない 計画もするし、こうなれば良いな みたいなのもあるけど 具体的な事はなんにも決まってない。 なんで急に…と空を仰ぐ 青 あぁそっか、 来週から夏休みだ
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