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――大学の講義室だった。随分珍しいなぁ、と感嘆しつつ適当な場所に座った。間もなく式は始まった。扉から一人の男が出てきた。彫りの深い顔で、モミアゲから髭まで繋がっている。
いよいよ始まる、と俺は多少緊張した。多少。
「あー、社長の破戸竹刀(ぱっとしない)だ」
いきなり社長でてくんなよ。司会とかないのか。
「いいか!」突然大声を上げた。勿論マイクはあるが、声がでかすぎでスピーカーからは雑音混じりで聞こえる。
「この破戸商事に入ったからには……入ったからには……」
うるせーな……
「入ったからには……」
台詞忘れるなよ。てか――、俺は横を「入ったからには……」見る。
寝るなよ。
「入ったからには……」一人は机に突っ伏し、もう一人は仰向けで寝ている。てか本当うるせーな。早く思い出せよ。
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