prologue

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「そっかぁ、千冬ちゃんの好きな人っ て、とっても素敵な人なんだね。でも、 もしかしてさ、その人ってとても鈍感 じゃない?」 わたしの答えを聞いた楓さんは、とても嬉しそうにそう言ってきた。 「……はい。とても鈍感でバカな人で す」 だからわたしは、ちょっと残念な気分になりながら素直にそう答えたの。 わたしの大好きな人はホントに鈍感でバカなんだもん。 自分の気持ちを素直に言ったら、楓さんの事が気になったの。 ほら、 あんなに落ち込みながら、恋の話をしていたから。 だからわたしは、聞いちゃいけないと思いながら聞いちゃったの。 「楓さんは好きな人いますか?」 って。
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