597人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
楓さんがだれのことを好きなのか、わたしはすぐにわかった。
雄一だ。
楓さんも、わたしと同じで雄一の事が大好きなんだ。
近すぎて、一人の女の子として見てもらえないって、妹だから……。
大好きで大好きなのに、気づいてもらえなくて、女の子として見てもらえないなんて悲しすぎるよ……。
わたしにも楓さんの気持ちがわかる。
わたしはまだこどもだし、楓さんやまゆみたく可愛くないし、素直になれないから、わたしの気持ちも雄一に伝わらないかも……。
そんなことを思うと、涙が勝手に出てきてしまう。
そんな中、雄一はちんぷんかんぷんなセリフを楓さんに言ったの。
「いつか絶対お前の想いが届く時がくる。元気を出せ。話くらいならいつでも聞くし、応援するから」
って、こんな感じのセリフを。
……ないわー。
雄一、それはないわー。
思わず言っちゃったもん。
「……雄一、もしかしてわざとやってる?」
って。
最初のコメントを投稿しよう!