episode.1 だからこそ

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そんな彼女たちと夕暮れまで一緒に遊んだ後、家に戻ると声が掛かった。 「雄一。遅かったね」 妹の楓である。 「ん?そうか?」 俺はさして気にもせず、そう返事を返した。 まだ時刻は6時半である。 「遅いよ!!夕飯に何にしようか決まらないから待ってたのに!!電話掛けても出ないし、メールも返ってこないし……」 そっけない俺の態度が気に入らないのか、妹は柔らかそうな頬を膨らませ、可愛い顔に拗ねた表情を作る。 「悪い。気付かなかった。てか、お前は俺の嫁さんか彼女かおふくろか?」 俺だってまだ高校生。遊び盛りである。 妹に束縛されなきゃいけない理由がわからず、ついポロっと言ってしまった。 「か、か、かかか彼女!?お嫁さん!?」 俺の漏らした小言に、楓は顔を真っ赤に染めて動揺している。 ……そんなに嫌かよ。 まぁ、仕方ないか。
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