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そんな彼女たちと夕暮れまで一緒に遊んだ後、家に戻ると声が掛かった。
「雄一。遅かったね」
妹の楓である。
「ん?そうか?」
俺はさして気にもせず、そう返事を返した。
まだ時刻は6時半である。
「遅いよ!!夕飯に何にしようか決まらないから待ってたのに!!電話掛けても出ないし、メールも返ってこないし……」
そっけない俺の態度が気に入らないのか、妹は柔らかそうな頬を膨らませ、可愛い顔に拗ねた表情を作る。
「悪い。気付かなかった。てか、お前は俺の嫁さんか彼女かおふくろか?」
俺だってまだ高校生。遊び盛りである。
妹に束縛されなきゃいけない理由がわからず、ついポロっと言ってしまった。
「か、か、かかか彼女!?お嫁さん!?」
俺の漏らした小言に、楓は顔を真っ赤に染めて動揺している。
……そんなに嫌かよ。
まぁ、仕方ないか。
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