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「しーっ。大きい声出さないで」
楓は口を塞がれ、身体の自由が効かない俺の耳元でそう囁くように言った。
「…………」
どう返事をすればいいかわからず、とりあえずコクリと頷く。
さて、今の状況であるが大変な事になっている。
俺のベットの中に何故か楓が入ってきているのだ。
しかもだ、楓は俺に抱き着いているではないか。
何してんのコイツ?
「あ、あのね……ちょっと寂しくて、眠れなくて、雄一の部屋に来たんだけど、起きてくれなくて……」
そんな有り得ない状況を作った張本人である楓は、ベットの主である俺に甘い声でそう言った。
……寂しくて、寝れなかったら、お前は実の兄に抱き付くのか……。
これ、立場が逆なら俺、問答無用で大声出されて、エライコトになってるよな。
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