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「ゆういち……だぁいすき」
あれから少し時間が経った今、俺の腕の中で楓は眠っている。
思いっきり俺に抱き付きながら、上記のような寝言を呟くのだ。
もちろん俺は眠れるはずもなく、ひたすら朝が来るのを待っている。
くぅくぅ……と、甘い寝息が首や胸に掛かり、くすぐったいし、そのね、成長して膨らんだ、その、あの、おお、おっぱいとかがむにゅっと押し付けられたりと、絶賛思春期真っ只中の俺にはまさに拷問的な状況である。
……こいつ、結構たわわに実ってやがる。
落ち着け俺。鎮まれ俺。
可愛い妹が兄に甘えているだけではないか。
と、心を空にし、雑念を捨て、身体を襲うさまざまな誘惑を蹴散らしながら、寝息を立てる可愛い妹の寝顔を覗いてみる。
なんでこいつはこんなに幸せそうな顔してんだろうな。
まぁ、兄としては妹に甘えられるのは嫌じゃないが。
むしろ、こんなに幸せそうに寝てるのを見たら嬉しくさえなる。
「可愛いやつめ」
ついついこんな台詞を吐いてしまった。
そして、空いている手で柔らかそうなほっぺをつついてみたのだ。
……。
なんすか、この気持ちよさは。
あまりの気持ちよさに、つまんで伸ばしたりしてしまったではないか。
……はぁ、何やってんだろ俺。
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