episode.1 だからこそ

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「うんっ。雄一ありがと」 よかった。特に何も問題が無かったらしい。 機嫌よく返事してるし、楓としても兄に甘えていて、眠っていたのだろう。 そう考えた俺は、そのまま冷蔵庫に行き、牛乳を取りだし、食器棚からコップを取って、程よく注ぎ、それを手に楓のいるリビングへと戻った。 椅子に腰を降ろし、今注いだ牛乳を飲みはじめた時、楓が口を開いた。 「ねぇ雄一。あのね……、あたしのパジャマが少しはだけてたんだけど……」 顔をほんのり赤く染め、上目遣いにこんな事を言ったのだ。 ぶはぁぁぁっ!!!? 口の中から盛大に牛乳を噴き出しちまったぜ。 「……げほげほげほ」 変なとこに入って噎せちゃうし……。 つか、何? 俺が外したとでも!?  し て ま せ ん ! ! お前が勝手に暑いとかって、ボタンを外したの。 「あ、あのね雄一。あたしが暑くてしたんだと思うんだけど、その……見た……?」 噎せ続ける俺に楓は少し慌てながらも、上目遣いのまま言葉を再び投げてきた。 「かはっかは……はぁはぁ……見てない……」 俺はなんとかそう返事をするので一杯だったのは言うまでもない。 ……ちらっと見たけども。
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