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「うんっ。雄一ありがと」
よかった。特に何も問題が無かったらしい。
機嫌よく返事してるし、楓としても兄に甘えていて、眠っていたのだろう。
そう考えた俺は、そのまま冷蔵庫に行き、牛乳を取りだし、食器棚からコップを取って、程よく注ぎ、それを手に楓のいるリビングへと戻った。
椅子に腰を降ろし、今注いだ牛乳を飲みはじめた時、楓が口を開いた。
「ねぇ雄一。あのね……、あたしのパジャマが少しはだけてたんだけど……」
顔をほんのり赤く染め、上目遣いにこんな事を言ったのだ。
ぶはぁぁぁっ!!!?
口の中から盛大に牛乳を噴き出しちまったぜ。
「……げほげほげほ」
変なとこに入って噎せちゃうし……。
つか、何?
俺が外したとでも!?
し て ま せ ん ! !
お前が勝手に暑いとかって、ボタンを外したの。
「あ、あのね雄一。あたしが暑くてしたんだと思うんだけど、その……見た……?」
噎せ続ける俺に楓は少し慌てながらも、上目遣いのまま言葉を再び投げてきた。
「かはっかは……はぁはぁ……見てない……」
俺はなんとかそう返事をするので一杯だったのは言うまでもない。
……ちらっと見たけども。
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