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「名前は何という?」
ルシフェルは、そう言いながら愛用のナイフを刃を砥石で研く。
「ハイドだ」
「ハイドか
覚えておこう」
辺りは静寂に包まれる。
そして、一陣の風が吹いたと同時に二人は動き出す。
ルシフェルはナイフを持って
ハイドに襲いかかるが、ハイドはそれを右人差し指の間に入れてピタリと止める。
(力が強い!)
ルシフェルがそう思ったのも束の間
鳩尾に蹴りを一発入れられて、うずくまってしまい、落としてしまったナイフで背中を刺されてしまう。
「グッ!」
背中に電気のような衝撃の激痛が走る。
だが、ルシフェルはハイドに足払いを繰り出す。
態勢を崩してしまうハイドは、ルシフェルの餌食。
ルシフェルはハイドの顔面を殴った。
か、と思えばそれは右手でガードされていた。
ルシフェルは空いている左でローブの内側に隠し持っていたナイフで、ハイドの左胸を刺す。
ハイドは吐血するが、何事も無かったかのようにルシフェルの顔面を殴る。
ルシフェルは吹っ飛ばされてしまい、地面に背中を擦り付けて、引きずられてしまう。
ルシフェルは口の中を切ってしまい、溜まった血をぷっと吐く。
「なかなかの化け物だな」
「世間は広いのだぞ」
「面白い」
ルシフェルはどこか楽しげな表情を浮かべた。
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