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ハイドはふとある事に気付く。
「その大剣使わないのか?」
ルシフェルは自分の背中に担いでいる大剣を見るなり頷く。
「ああ
これは、今使うべき時じゃないんだ
何せ、条件通りじゃないと暴れるんでね」
「成る程な
お前を色々調査させてもらったが、その巨大な剣を使ったのは聞いたことはない
かと言って、それを担いでいると結構体が重いのじゃないか?」
「まあな……
慣れているから問題は無いが」
「ならこの刀の意味も分かるだろう」
ハイドはそう言って、どこから出したのか漆黒の刀を出現させた。
禍々しい紫色の邪気を放ち続け、鍔には何やら太陽のような模様が描かれている。
ルシフェルはその模様を見て驚きを隠せない。
「お前それは……」
「お前と同じだ」
ハイドはそう言って刀を消す。
「そうか……
通りでナイフで刺されても平気な訳だ」
「俺とお前はライバル同士、だが目標は同じだ
奴を探し出してこの手で殺す
そして、魔の秘具もな」
ハイドはそう言うと、真っ直ぐ北へ歩き始めた行ってしまった。
「あ、そうそう
上気を付けろよ」
ハイド言ったとおりに上を見てみると、長い牙を剥き出しにして、よだれを地面にポタポタと落としいる二足歩行の狼のようなクリーチャーと、防具を身に纏った人間四人と、顎髭を生やし、茶色のウエスタンキャップを被った30代後半くらいの男性が、クリーチャーに乗ったまま降ってきた。
「次から次へと
厄日だな」
ルシフェルは重い溜め息をつく。
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