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起きると、僕は丁寧に手当されていていた。
「起きたか」
目の前にいる長い赤髪の髪をして目が鷹のように鋭く、全身黒で纏った男性が、ティーカップに入った温かい飲み物を飲みながら、座り込んでいる男性がそう言った。
「おじさんは誰?」
少年は涙を流しながら聞く。
涙はこの男性が怖いのではなく、自分がどう言う状況で死にかけたのか、周りの人達が自分以外全員皆殺しにされたからだ。
「……
俺はルシフェル
それにおじさんって歳じゃない
あと、涙を流しながら問いかけるな
地獄を見たのは分かる
だがお前は生きているんだ
ラッキーでも何でもない
お前はこうなる運命だったんだ
コレを機に何か掴めた筈だ
と言っても分からないか」
少年はボロボロになっている服の袖で涙を拭く。
「分かった!」
「……」
少年はルシフェルの目を真っ直ぐ見る。
ルシフェルは黙って、温かいミルクとステーキのような肉を葉っぱに乗せて差し出す。
「食べろ
腹が減っていては、元気も出ないし、せっかく俺が助けた意味が無くなる」
少年は、今度は嬉しい涙をボロボロと流しながら肉にしゃぶりつき
温かいミルクを味わう。
貧困な生活だったので、ステーキは初めての体験なのだ。
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