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「おいしい!」
「当たり前だ
そう言えば小僧
名は?」
「ソラ!」
「……成る程な」
ルシフェルはソラをじっと見つめながらそう言った。
「どうかしたの?」
「いや何も……」
ルシフェルは何か思い詰めているようだ。
小さいソラにとっては気にならない。
だが、さっきとは明らかに様子が変わったのは間違いない。
と思ったソラだった。
「で、何故あんな状況になっていた?」
ソラは手が止まり、力無く呟く。
「黒い蛇……」
「黒い蛇?」
ルシフェルは首を傾げる。
「黒い蛇の模様がほっぺたに書かれているんだよ……」
ソラは弱々しく言う。
「リーダー格みたいな奴は分かるか?」
「う…ん……
そう……ちょうどルシフェルみたいな身長と体格で短い綺麗な銀色の髪をした男だった」
ルシフェルはふと何かを考えている様子。
そして、刹那にこう質問する。
「名前は分かるか?」
「思い出せない……
ちょっと待って」
ソラは必死に思い出す。
思い出したくない光景。
村が全て焼き尽くされ、村人達は虐殺されていた。
まさに地獄絵図。
空は火で覆い尽くされて、地は血の海が。
ソラも重傷を負っていて、動こうとしても動かない上に目が霞む。
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