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五感が鈍っている中、聴力だけはいい。
ソラはとても耳が良い。
なので、10メートル先の小声もはっきりと聞こえた。
「ディストール」
ルシフェルは何も言わずに納得したかのように頷く。
「俺もそいつを探していた所だ
そいつを殺したいか?」
「うん!」
ソラのその返事は洞窟に響く。
ソラはルシフェルの瞳を真っ直ぐ見る。
強い意志と野心と言った様々なものが瞳に写り、強い覚悟も伝わってくる。
だけど、それは真か嘘か分からない。
だが、人と触れ合う事を好まないルシフェルは咄嗟に……。
「強くなりたいか?」
ルシフェルはそう言ってから右腰に付けいていたホルダーからナイフを取り出して、ステーキに刺した。
ソラは何も言わずにナイフを手に取り、ルシフェルに向ける。
「生半可な気持ちじゃ死んじまうぞ?」
「分かってる!」
「フッ……
勝手にしろ」
これが全ての始まりだった。
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