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「お待たせしました。ご友人の方をお連れしました。」
セレの言葉に男が顔をあげる。
「おお、君がシャルクス殿のご友人かね?随分・・背が高くていらっしゃる。」
男が天翔を見上げて、思わず一歩下がる。
二メートルを超える天翔はその言葉に小さく笑って頭を下げた。
セレが自分を連れてきた意図を察する。
「それだけがとりえのようなものです。友人の天翔、と申します。」
そういってにこりと微笑を浮かべる。
長身で見目の良い天翔はそれだけでかなり見栄えが良い。
近くで談笑していた貴婦人達が天翔を見てほぅっと溜息をつく。
「まぁ、素敵な方。さすが王子様のご友人ですわね。」
その言葉に男が眉をよせる。
なんとかけちつける部分を見つけようと男が天翔を睨みつけるが、身長差で見上げる形になり格好がつかない。
「お仕事は何をされているのですかな?」
「警察をやっています。」
天翔の言葉にセレが補足する。
「彼は警察の中でも警視総監として多くの部下をもつ方です。多くの実績も残されていらっしゃる、有能な方ですよ。」
普段仕事をさぼりセレに怒られている天翔はその賛辞に内心で苦笑いを浮かべた。
男が目に見えて怯んだのが分かり、あずまは表情を崩さぬまま安堵した。
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