あずま誕生日小説

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形式だけのパーティーより、ずっと楽しい。 仲間の声、欲しかった自分の居場所も、全部ここにある。 「おめでとう。」 その言葉に眼を向ければ。 「なっ、え、ファルゼン!?またしばらく来れないって言ってなかったっけ?」 平然と座っているファルゼンに仰天する。 天界でのトラブルに片がついてから、たまに顔を出すようにはなったものの、最近は会っていなかった。 「様をつけろ様を。わざわざ来てやったのに不満か?」 「いや、そういうわけじゃ・・。」 「恩着せがましく仰ってますけど、仕事さぼってきただけでしょう。」 セレの呆れたような言葉にファルゼンがじろりと睨む。 「やかましい。」 ファルゼンとセレのやりとりにはらはらしていると、ムサシが名前を呼んできた。 「なーあずまっ。」 「ん?何・・っぶ!?」 いきなり顔面に飛んできたケーキに直撃する。 「ケーキ投げ~♪おし、当たりっ。サプライズプレゼントだぞっ。」 ムサシの言葉にゆっくりとケーキを拭う。 そして。 「ムサシぃぃぃぃっ!てめ、一回殺す!」 あずまの怒声が城に響いた。
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