邂逅 カイコウ

2/9
前へ
/477ページ
次へ
昨日は妹の四十九日だった。 四十九日とは死者の魂がさ迷っている期間で、前生までの報いが定り、転生するのに必要な期間だそうだ。 俺の家族は一体何に生まれ変わったんだろうな……。……みんな図太いからまた人間になってそうだ……。 そんなことを考えている俺は、家のリビングにいた。 今日もよく晴れ、穏やかな日差しが窓の外に降り注いでいる。 窓辺には妹と俺が作った照る照る坊主はまだぶら下がっていて、長期に渡る仕事を強いられていた。 何故かあれだけは、片付ける気になれずにいた。
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

386人が本棚に入れています
本棚に追加