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その女の子は靴を脱いで上がった後、
「あの……。リビングはどちらに……?」
と一人アホ毛に和まされていた俺に質問してきた。
「あ、こっちです」
すっかり案内するのを忘れていた俺は慌てて靴を脱いで玄関に上がると、女の子を先導してリビングに向かった。
「とりあえず、お茶出しますね?あ、そこのソファーに座ってください」
「あ、いえ。お構い無く。ソファーにだけ座らせていただきますね。空さん次第ですぐに用件は済むので」
「あ、はい」
リビングに到着し、女の子にお茶をを進めるが断られた。
俺次第でってどーいうことだ?
俺が頭に疑問符を浮かべながら女の子の対面に座ると、女の子はそれを待っていたかのようにこう言い放った。
極めて元気に、努めて礼儀正しく。
彼女はさらりとなにかを投下した。
それは今になって思えば、爆弾であり、救いの手だったのかもしれない。
その言葉は──
「初めまして!私、死神です!」
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