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……………?
今、この女の子はなんて言った?
死神?
…………え?
「……死神?」
「はい♪The god of deathです。死神です!」
目の前の少女はにこやかに英訳までして説明してくれた。
その瞳には嘘をついている様子など微塵も見られない。ただ真実を語っているのだろう、彼女にとっての。
……よし、この女の子、電波的な残念な女の子なんだな。
決定だ。
「……む。その顔は信じてませんね?」
こんなん現代において、しかも現代の日本人に信じるやつはいるのか?
「まぁ、いきなり信じてくれる人はいないんですが……これを言えば納得してくれますかね……」
「え?」
女の子はどこか得意気な表情をして語りだした。
俺の個人情報を。
「天城空。年齢は16歳。高校1年生。男女の付き合いはなし。ど、童貞。家族は交通事故で他界。今日で親御さんがお亡くなりになられて52日で妹さんがお亡くなりになられて50日。好きな食べ物はカレー。嫌いな食べ物はナスと梅干し。性格は優しく、突っ込みポジション。え、えっちな本のか、隠し場所は勉強机の引き出しの2だ「ストップ!わかったから!それは言わないで!」……なんか複雑です……」
そんなものの隠し場所を掴まれていたら信じるほかないな……。
まだ誰にもバレてないし。
……バレてない……よな?
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