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「でもさ、俺、人間だよ?」
「その辺は大丈夫です!ちゃんと手続きはしてもらいましたから。向こうにいけば30分で死神になれます」
そんなにあっさり死神になれるのか人間って……
つか、向こうって……あの世か?
「いえ。あの世というのはお亡くなりになられた方のための世界なので死神のいる世界とは違います」
「ちなみに拒否権は?」
「あります。その場合、この書類にサインしていただきますが」
そう言って雲野さんがポケットから取り出したのは、『使命破棄同意書』という書類だった。
内容は、『私は死神、雲野茜の使命を破棄することに同意する』
というものだった。どうやらこれの署名欄にサインすれば俺はその死神の学校に行かずに済むらしい。
「どうしますか?」
雲野さんは、その紙を見つめる俺にそう声をかけてきた。
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